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被爆67年 枯れ葉剤・毒ガスにノー

 ベトナムの枯れ葉剤被害者の親戚とイランの毒ガス兵器被害者が、平和記念式典で友情を育んだ。国際的なジャーナリストたちが集まるヒロシマから、被爆者と同様に生涯を通じて体をむしばまれる被害と、非人道的な兵器の使用禁止を世界へ向けて訴えた。

 ベトナムからは、枯れ葉剤被害者協会で働き、親戚3人が被害に遭ったチャン・ティ・クエ・ルオンさん(34)が訪れた。イランからは化学兵器被害者支援協会の11人が参列。うち8人は、かつてイラクが使用した毒ガス兵器による肺や目の後遺症に苦しむ。

 会場内の近くの席に座った双方は、互いの現状を報告。イラン側のマルヤム・サーレヒさん(23)は「広島やベトナムの被害を学びイランに伝える」と約束。ルオンさんは「戦争経験のない私たちの行動が大切。頑張ろう」と応えた。

 ルオンさんとは、化学兵器の使用禁止の道を探る国際会議などを通して顔なじみの、イラン訪問団のシャリアール・ハテリ団長(42)は「両国とも被害実態を知る人が少ない。ヒロシマから学ぶ点は多い」と話した。(教蓮孝匡)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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