×

ニュース

被爆67年 過ちを問う 脱原発 広島で発信

 原爆の日を迎えた6日、ヒロシマは核の平和利用の是非をめぐり、揺れた。広島市長が求め、首相が約束した安全なエネルギー政策は、市民に、被爆者に届いたのか。一方で、フクシマから連帯と支援を求められた被爆地。その在り方を問うように、平和記念公園の内外で、脱原発のうねりは広がった。

 「原発はいらない」「再稼働を許すな」。脱原発を訴えるデモや集会が、広島市中心部で相次いだ。関西電力大飯原発の7月の再稼働を受け、労組などに加え、短文投稿サイトのツイッターなどでつながったグループが全国から参加。再稼働反対や廃炉を求め、抗議の声を上げた。

 3団体の計約250人が、中区の原爆ドーム前や中国電力前をシュプレヒコールを上げて歩いた。

 ツイッターでデモの参加を呼び掛けた市民グループ「TwitNoNukes中国」は初参加。森川実季さん(40)=岩国市=は「いても立ってもいられなかった。地元の上関原発の建設をやめさせたい」と力を込めた。

 中電前では、福島県本宮市から西区に避難している岡本久美子さん(38)が「平和宣言に『脱原発』の文字はなかった。私たちが声を上げよう」と訴えた。

 中区の相生橋近くでは夜、福島県から広島県内への避難者たちが集会を開いた。俳優の山本太郎さん(37)が駆け付け、福島県の詩人若松丈太郎さんによる原発の危険性を告発する詩を朗読した。(中島大)

(2012年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ