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歴史、思いはせ 「朝鮮通信使」日韓で再現 2017ひろしまFF

 広島市中区の平和大通り一帯で3日開幕した2017ひろしまフラワーフェスティバル(FF)。地域に受け継がれている歴史の奥深さや、暮らしている人々の多様な思いを発信し、「花の総合パレード」やステージ、企業や団体のブースは熱気を帯びた。

 江戸時代に瀬戸内を往来した朝鮮王朝の外交使節団「朝鮮通信使」の再現行列が、パレードに登場した。通信使の関連資料の世界記憶遺産認定と、日韓両国の友好を願った。

 韓国人留学生や、通信使が立ち寄った呉市の住民たち約100人が民族衣装を身にまとって練り歩いた。在日本大韓民国民団(民団)県地方本部のメンバーたち約80人が民族楽器の軽快な演奏と舞踊を披露しながら先導。沿道からは「きれい」と声が上がった。

 正使役を務めた民団県地方本部の李英俊団長(55)は「市民レベルで日韓それぞれの理解が深まってほしい」と願った。

 日韓の団体は共同で昨年3月、関連資料を世界記憶遺産とするよう、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に申請。今秋にも実現する見通しという。輿(こし)を担いだ広島経済大4年藤田梨沙さん(21)=呉市=は「大学の活動として、通信使が巡った時代を追体験できるような韓国人向けの旅行プランを考えたい」と話した。(柳本真宏)

(2017年5月4日朝刊掲載)

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