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被爆67年 元安川 祈りの帯 とうろう流し

 原爆ドーム(広島市中区)前の元安川などでは、原爆犠牲者の鎮魂や平和を願う、とうろう流しがあった。ろうそくをともした色とりどりの約1万個が川面を染め、辺りは祈りに包まれた。

 「世界が平和になりますように」「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマの悲劇を繰り返さないで」。元安川では午後6時すぎから、遺族や家族連れが6色のとうろうをゆっくりと浮かべた。両岸や元安橋から多くが見守る中、平和のメッセージとともに、光の帯を描きながら流れていった。

 広島県府中町の平田雅子さん(74)の兄は市内での建物疎開作業中に被爆。6日後に亡くなった。「『僕の心臓を誰が取ったのか』と苦しみながら亡くなった。今も忘れられない」と冥福を祈っていた。(石井雄一)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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