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離着陸訓練を公開 米軍 硫黄島で空母艦載機

 在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は8日、東京都の硫黄島で2日に始めた空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)を報道陣に公開した。艦載機は7月以降、米海軍厚木基地(神奈川県)から米海兵隊岩国基地(岩国市)へ移転する計画がある。

 今回の訓練は、7日に横須賀を出港した原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機のパイロットが対象。8日午後はFA18スーパーホーネットなど16機を使い、48人が訓練を積んだ。

 全長2650メートルの島の滑走路を空母の甲板に見立て、時速約200キロで車輪が接地した直後に離陸するタッチ・アンド・ゴーを繰り返し、激しいごう音を響かせた。13日までに延べ60~80機、約100人が参加予定。悪天候時などの予備施設として岩国基地など3カ所が指定されている。

 米側の計画では、艦載機61機が来年5月ごろにかけて岩国基地へ移る。同司令部作戦部長のドワイト・クレモンズ中佐は「厚木よりも硫黄島への距離が約200キロ長くなり、往来時のリスクが高まる」と指摘。日常訓練は「今の海兵隊所属機と変わらない」とした。

 移転に絡み、日本政府は鹿児島県の馬毛島を訓練施設の新たな候補地として検討するが、施設整備には少なくとも10年程度かかる見通しで、硫黄島でのFCLPは当面続く。(松本恭治、写真も)

(2017年5月9日朝刊掲載)

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