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被爆67年 非核 次世代に誓う 笠岡などで慰霊式

 広島に原爆が投下されて67年、死没者の鎮魂式や慰霊式が6日、笠岡市など岡山県内各地で開かれた。県内の被爆者は現在2099人で平均年齢79・92歳。高齢化が進む中、参列者は悲惨な体験の伝承と核兵器廃絶運動の継続をあらためて誓った。(谷本和久)

 笠岡市では、市内10団体による市非核平和都市宣言啓発実行委員会が、かさおか平和のひろばで市原爆死没者鎮魂式と平和祈念の集いを開催。被爆者ら52人が参列した。

 2011年度に亡くなった市内の被爆者2人の名前を発表。三島紀元市長は「市制施行60周年を迎えた市の安心安全な生活には、平和な世界の実現が不可欠。平和を願って原爆の恐ろしさを後世に伝え、核兵器のない世界に向けた取り組みを進めなければならない」とあいさつした。

 黙とうをし、参列者は祈念碑に白菊を手向けて鐘を鳴らした。金浦の祝(はふり)正子さん(99)は介助者に支えられたが、献花台近くに上れず、下で手を合わせた。義母が好きだったという桃を供えた。

 市原爆被爆者会は、現在会員が72人で15年前の半数に減った、という。筒井守会長(83)=七番町=は「恒久平和の実現には若い世代に被爆の体験を風化させず、継承し、核兵器の恐ろしさを伝えていかないといけない」と笠岡から平和に向けた活動の継続を誓った。

 岡山市では市原爆被爆者会(平末豊会長)が中区門田本町の市原爆死没者供養塔前で慰霊式を開き、約40人が参列。倉敷市職員労働組合は9日に本庁と3支所で平和のメッセージを付けた風船を飛ばす。

(2012年8月7日朝刊掲載)

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