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被爆67年 核兵器廃絶への決意新た 江津の有福温泉荘

 広島原爆の日の6日、島根県江津市の原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」で原爆死没者追悼・平和祈念式があった。ロビーで宿泊者と地元の小学生約40人が午前8時15分から1分間の黙とうをして、核兵器廃絶への決意を新たにした。

 67年前、左官町(現広島市中区本川町)に住んでいたが、庄原市の実家に帰省して難を逃れた古木君子さん(88)=広島市安佐南区長束=が、焼け跡で親類を捜した体験を紹介。「(旧陸軍)被服支廠(ししょう)の仕事を手伝っていた叔母の行方は、今も分かりません」と語り掛けた。

 川波小の6年生16人が、広島での修学旅行体験などを盛り込んだ「平和のメッセージ」を披露。祭壇に千羽鶴をささげた後、「アオギリのうた」を合唱した。

 施設は1967年に開設。延べ約82万7千人が利用した。昨年度の利用者は8500人で、被爆者の高齢化とともに減少傾向が続いている。(石川昌義)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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