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平和公園 防犯カメラ追加 広島市、韓国人慰霊碑そばなど3台設置へ

 広島市が平和記念公園(中区)に防犯カメラ3台を追加で設置することが11日、分かった。相次ぐ樹木被害の発生を防ぎ、来園者の安全面の向上につながると判断したとみられる。早ければ6月末に取り付ける。(渡辺裕明)

 関係者によると、設置場所は、原爆供養塔、韓国人原爆犠牲者慰霊碑とそばのトイレ、原爆資料館東館そばの被爆アオギリと建設中のトイレをそれぞれ捉えられる3カ所という。

 韓国人原爆犠牲者慰霊碑そばでは、4月にムクゲ3本の幹が裂かれる被害があり、2014年5月にも日韓両国の大学生が植樹したチョウセンゴヨウ1本がなくなった。原爆供養塔近くでも16年7月、ヤマモモの木が傷を付けられている。

 来園者数を集計したデータはないが、園内にある原爆資料館の入館者数は16年度に過去最多の約174万人を記録。公園を訪れる人は増えている。現在も世界遺産の原爆ドームや原爆慰霊碑など園内の主要施設を監視する防犯カメラは11台あるが、今回の追加で死角を減らし、犯罪を未然に防ぐ狙いがあるとみられる。

 カメラの追加について市は今月19日の市議会建設委員会で報告。公園は国の名勝になっているため、文化庁に設置許可を申請する。その後、公園全体の安全面を再点検し、カメラがない場所を中心に、警備員が巡視、監視するなど警備体制を見直す見通しだ。

(2017年5月12日朝刊掲載)

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