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原爆ドーム題材アート 宮島工高生 広島市中区で14日から作品展

 廿日市市の宮島工業高インテリア科の3年生10人が、原爆ドームを題材にしたデザイン画2点を作った。「刻(とき)」をテーマに広島市中区の旧日本銀行広島支店で14~16日にある作品展に出し、核兵器廃絶と世界平和の願いを発信する。

 1点は被爆前の県産業奨励館、原爆投下の瞬間、火の海が覆う様子、一帯に降った黒い雨など、約25年前に在校生が制作した十数点のCG画像をフィルム状につないだデザイン。原爆投下の午前8時15分で止まった時計や白いハトも描き「ノーモアヒロシマ」のメッセージを添えた。

 もう1点は2004年8月、原爆ドーム前の元安川に県産業奨励館の画像が投影された写真を、爆心地周辺の地図に重ねた。

 2点とも縦1・3メートル、横1・1メートル。被爆の惨状から戦後の復興、現在へと時の流れを刻む。4月から課題研究の授業で作った。制作グループのリーダー佐伯大成さん(18)は「原爆の悲惨さと過去の反省、未来への希望を作品に込めた。制作は平和の大切さについて考える機会になった」と話している。

 若者の夢実現のきっかけづくりに取り組む「オールドリームネット」(南区)の鶴原学事務局長(40)が同校に残るCG画像を知ったのがきっかけで、同団体が主催する作品展への出品が実現した。作品展は各日午前10時~午後5時。「刻」をテーマにした約50点を並べる。(長部剛)

(2017年5月12日朝刊掲載)

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