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被爆67年 「歩こう広島まで」同行 被爆者の思い 体感

 広島市で被爆して島根県邑南町に逃げてきた被爆者の足跡約70キロを逆にたどる4、5日の「歩こう広島まで」に参加した。真夏の熱気と長い下り坂で70人中、記者を含む18人が途中で救援車を利用。過酷な環境の中、被爆者の生への強い思いと平和の尊さを学んだ。

 4日正午に同町山田の出羽公民館を出発。当初は風があり歩きやすかったが、県境以降下り坂が連続した。参加者は休憩所で足や膝をケアし、仮眠を挟んで夜を徹して進んだ。

 最年少の瑞穂中1年洲浜由喜美さん(12)は「出発2時間で足が痛くなった」。同町の主婦吉川真弓さん(69)は「とにかくきつい。生きたいと必死だったから歩けたのだろう」と被爆者に思いをはせていた。

 5日午前9時すぎに全員が広島市中区の平和記念公園に到着。記者が歩けたのは約70キロのうち約50キロだった。(黒田健太郎)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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