×

ニュース

丸木夫妻の遺影を登録 広島祈念館 「原爆の図」の位里さん・俊さん

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は12日、「原爆の図」シリーズで知られる安佐北区出身の日本画家、丸木位里さん(1995年に94歳で死去)と妻で洋画家の俊さん(2000年に87歳で死去)の遺影を登録したと発表した。館内で公開している。

 疎開先の埼玉県で広島への原爆投下を知った位里さんは、1945年8月9日に帰郷。その約1週間後に広島入りした俊さんと廃虚を歩き、救護活動を手伝った。滞在中に見聞きした光景を絵画に表し、50年に共同制作した「原爆の図」(第1部「幽霊」)を発表。82年までに全15部を描くなど、原爆の惨禍と命の尊さを訴え続けた。

 遺影を提供した、丸木夫妻の養女で絵本作家の丸木ひさ子さん(61)=埼玉県東松山市=は「原爆で亡くなった方々に対し、『描かなくては』という強い思いを持ち続けていた。多くの被爆者の遺影と一緒になれてよかった」と話す。

 同館は原爆死没者の名前・遺影や被爆体験記を収集し、公開している。5月11日時点で、名前・遺影は2万1692人分が登録されている。(野田華奈子)

(2017年5月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ