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被爆67年 世代超え平和を決意 尾道・三原でも慰霊式

 広島県尾道市と三原市でも6日、被爆者団体などが主催する慰霊式があった。被爆者や遺族、子どもたちが世代を超えて集い、会場は平和への祈りで包まれた。

 尾道市東尾道の慰霊碑前では、尾道地区原爆被害者の会(岡田進会長)会員や地元の中学生たち約100人が参列。菊と千羽鶴を手向け、新たに17人を加えた計391人分の死没者名簿を納めた。原爆投下時刻には広島方面に向かって約1分間黙とうした。

 祖父が被爆したという同市高須町の高西中3年三井滉子さん(14)は「被爆者の体験に寄り添い、受け継ぐ義務が若者にはある」と決意を新たにしていた。

 同市御調町の町原爆被害者協議会(森山儀助会長)も、市御調支所内の慰霊碑前で追悼法要を開いた。被爆者たち36人が脱原発や核廃絶を願って座り込みをした。

 JR三原駅北側の原爆死没者慰霊碑では、この1年間に亡くなった20人を加えて477人となった死没者名簿を慰霊碑に納めた。三原市原爆被害者之会の呼び掛けで約60人が集まり、黙とうをささげた。上田孝司副会長(83)=同市長谷=は「年々会員が減り寂しいが、生きている限りは原爆のむごさを後世に伝え続けたい」と力を込めた。(和泉恵太、木原由維)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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