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被爆67年 ヒロシマの心 若者が演じる

 広島原爆の日の6日、惨禍に巻き込まれた人々の冥福や平和への祈りが広島市や周辺で続いた。あの日から67年。被爆者の高齢化が進む中、体験の継承や核兵器の廃絶を目指すイベントも繰り広げられた。

 若者が平和を考えるイベント「ヒロシマの心を世界に2012」が、広島市中区の広島国際会議場であった。原爆や福島第1原発事故を題材に、創作劇やアニメ、合唱などを披露。平和と復興への願いを若い感性で発信した。

 舟入高(中区)演劇部は、漫画「はだしのゲン」の作者で被爆者の中沢啓治さんの半生を描いた創作劇「麦っ子ゲン」を上演。中沢さんが漫画を描くことで原爆と向き合い、平和を訴える姿を物語に盛り込んだ。ゲン役の3年森岡梨乃さん(17)は「人間の強さを感じてもらえるよう演じた」と語る。

 基町高(中区)の3年生12人が作成した、アニメ「空の彼方(かなた)」も上映された。福島県浪江町から同県内の仮設住宅に避難し、ことし6月に亡くなった佐々木ヤス子さん(84)の手記を原作にした約13分間の作品。約200人が物語に見入った。

 原爆の子の像にささげられた折り鶴を再生紙などに活用する、市民団体の取り組みを紹介するコーナーもあった。(鈴中直美、永里真弓)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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