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被爆67年 被爆生徒の実話 劇に

 広島原爆の日の6日、惨禍に巻き込まれた人々の冥福や平和への祈りが広島市や周辺で続いた。あの日から67年。被爆者の高齢化が進む中、体験の継承や核兵器の廃絶を目指すイベントも繰り広げられた。

 原爆資料館に展示されている少年の黒く焦げた弁当箱を題材にした劇「まっ黒なおべんとう」が、広島市中区で披露された。

 子どもに身近な弁当を通じて、平和を考えてもらおうと日本生活協同組合連合会(東京)などが企画。県内の生協組合員でつくる劇団が実話に基づいて演じ、平和学習で全国から集まった小中学生たち約100人が鑑賞した。

 劇中では、旧制広島二中(現観音高)1年の折免滋君=当時(13)=が、母親から弁当を渡されるシーンや、母親が原爆投下直後の市内を捜し回り、弁当箱を手掛かりに折免君の遺体を見つけ出すまでが演じられている。

 折免君の上級生で被爆者の浅野温生さん(80)=広島市南区=が当時の学校生活の様子を語り「今も亡くなった人たちのことを思い出す」と話した。(新山創)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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