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被爆67年式典 胸に被災地への共感

 広島原爆の日の6日、惨禍に巻き込まれた人々の冥福や平和への祈りが広島市や周辺で続いた。あの日から67年。被爆者の高齢化が進む中、体験の継承や核兵器の廃絶を目指すイベントも繰り広げられた。

 仲間と共に行動しよう―。平和記念式典で、広島市内の小学生3人が「こども代表」として大役を果たした。約5万人の参列者を前に「平和への誓い」を朗読し、鐘を響かせた。被爆者の苦しみ、福島第1原発事故の避難者に共感することの大切さを力強く訴えた。

 誓いを読み上げたのは、比治山小6年三保竜己君(11)=広島市南区=と、安北小6年遠藤真優さん(12)=安佐南区。三保君は、仕事を代わってもらった知人を原爆で亡くした曽祖父の体験を胸に秘め、壇上に立った。「身近な人の思いを語り継ぐことが平和につながる」と信じる。

 遠藤さんは、原発事故の影響で広島の小学校へ避難した同級生との交流を通じ、気持ちを伝え合う大切さを強調。「力を合わせ支え合い平和をつくろう」と被災地へエールを送った。

 遺族代表の会社員原戸勇二さん(42)=安佐北区=と平和の鐘を鳴らしたのは、八幡小6年の岸本聖来(せいら)さん(11)=佐伯区。「全ての国が核兵器をなくし、支え合っていくべきだ」と話していた。(山本乃輔、和田木健史)

(2012年8月7日朝刊掲載)

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