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東京五輪 事前合宿 メキシコ委会長 広島入り あす基本合意協定

 2020年の東京五輪の事前合宿を巡り、広島県と県内での実施で大筋合意しているメキシコオリンピック委員会(MOC)のカルロス・パディージャ会長が23日、初めて広島入りした。湯崎英彦知事と県庁で面会し、「平和を追求する五輪の精神を広島に見ることができる」と述べて期待感を表明した。県、県商工会議所連合会など広島側とMOCは25日、広島市南区のホテルで基本合意協定を結ぶ。(胡子洋)

 パディージャ会長と幹部たち6人が訪れた。湯崎知事は、メキシコで使われるスペイン語であいさつし、「われわれの絆が強まることを期待する」と語った。パディージャ会長は、広島以外に3県から誘致の働き掛けがあったと明かした上で、広島の魅力として、自動車産業を通じたメキシコとのつながりやスポーツ施設などの充実、平和の希求を挙げた。

 一行は面会に先立ち、平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑に献花し原爆資料館を見学した。メキシコ政府は核軍縮・不拡散に積極的で、パディージャ会長は「非常に心を揺さぶられた」と神妙に語り、「若い選手団に、広島の復興の過程や世界平和のために今も努めている姿を見てほしい」と話した。

 県は、メキシコに出場の可能性がある26種目の選手団約300人の事前合宿を受け入れる方向でMOCと調整している。一つの国の全ての参加種目の誘致は珍しく、13市町が候補地に名乗りを挙げている。県は25日の協定締結後、MOCの意向を確認した上で、合宿地の決定を含めた個別計画をまとめる方針でいる。

 県によると、早ければ18年にも五輪予選の強化合宿などで選手団が訪れる見通し。五輪の事前合宿は20年夏の本番直前となる。

 一行は25日まで3日間滞在し、広島市や福山市などの競技施設を視察する。

<広島県内で受け入れ予定の26種目と候補地の市町>

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(2017年5月24日朝刊掲載)

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