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被爆者団体 存続へ統合 豊栄町被害者協と「折り鶴の会」 2世主導の新協議会に

 東広島市の豊栄町原爆被害者協議会は会員の高齢化による解散の危機を回避しようと28日、町内の被爆2世でつくる「折り鶴の会」と統合した。2世主導の新協議会として組織の拡充を図る。(森岡恭子)

 この日、同町の清武地域センターであった総会で統合を決めた。総会には被爆者と2世、3世の計16人が出席。新会長には2世の市職員久藤(きゅうとう)武志さん(60)が就任した。これまで会員でなかった3世にも入会を呼び掛けることを確認した。

 会長不在のまま副会長兼事務局長を長年務めた西内末男さん(87)は2世に「原爆の悲劇が二度と起こらないように頑張ってほしい」と呼び掛けた。

 同協議会の会員は70~100歳代の約60人。県被団協(坪井直理事長)に加盟し、組織実態調査や慰霊式に参加してきた。町内の被爆者の体験をまとめた記念誌を発行したこともある。

 2世が2006年に結成した折り鶴の会の会員数は56人。新会長の久藤さんは「被爆の被害を風化させてはならない。体験を聞く会や交流会を開きたい」とする。

 県によると、市内で被爆者健康手帳を持つ人は昨年3月末で2191人。豊栄町だけの統計はないが、市へ合併する前年の04年3月末の町内の所持者は 182人だったという。

(2017年5月29日朝刊掲載)

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