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岡ヨシエさん死去 「広島が全滅」第一報

 原爆による広島壊滅の第一報を発し、被爆体験の証言活動を続けていた岡ヨシエ(おか・よしえ)さんが19日、悪性リンパ腫のため広島市中区の広島逓信病院で死去した。86歳。葬儀は近親者で営まれた。

 原爆が投下された1945年8月6日、比治山高等女学校(現比治山女子中・高)3年だった岡さんは、空襲・警戒警報の伝達業務のため、爆心地から約790メートルの広島城本丸跡(現中区)にあった中国軍管区司令部防空作戦室に動員されていて被爆。直後に廃虚となった市街地を見て、電話で福山の部隊に「広島が全滅しています」との内容を伝え、級友と共に外部へ広島壊滅を発した第一報とされた。

 約30年前から本格的に体験を語り始め、広島県内外の小中高生や大学生たちに「平和は多くの犠牲のもとに生まれた」と訴えた。

(2017年5月30日朝刊掲載)

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