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五輪へ核テロ対策強化 東京で国際会議が開幕

 各国の政府高官たちが核テロの防止対策を話し合う、米国、ロシア主導の核テロ対策国際会議が1日、東京都内で2日間の日程で始まった。日本では初開催で、約75カ国と4国際機関の約200人が出席した。

 同会議は2001年の米中枢同時テロを受け、米ロの両大統領が提唱。06年から1、2年に1回開かれ、今回で10回目となる。初日は冒頭、共同議長を務める米ロの各代表者があいさつし、自国の大統領からのメッセージを紹介した。

 基調講演した日本の薗浦健太郎外務副大臣は「核テロの脅威は国際社会の平和と安全に対する最大の挑戦だ」と指摘。弾道ミサイル発射など挑発行為を続ける北朝鮮には、核開発の放棄を迫る考えを強調した。東京五輪に向け、核テロ対策を強化する姿勢も示した。

 会議は、基調講演の後は非公開。加盟する国や国際機関はこれまで、核物質の組成を分析して出所を明らかにする「核鑑識」、核被害を最小限に抑える「対応・緩和」などの部会ごとに訓練やワークショップを重ねてきている。今回会合では、各部会の取り組みを報告し、今後の優先課題や活動方針を確認する。(田中美千子)

(2017年6月2日朝刊掲載)

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