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「命のビザ」杉原氏顕彰 福山のホロコースト記念館 パネルや遺品 展示

 第2次世界大戦中にナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人への「命のビザ」発給で知られる外交官、杉原千畝氏(1900~86年)を紹介するコーナーが1日、福山市御幸町のホロコースト記念館にできた。功績を説明するパネル、杉原氏が使った辞書などを展示している。(高本友子)

 杉原氏はリトアニアで領事代理を務め、ビザ発給で6千人の命を救ったとされる。コーナーでは、パネル12枚でユダヤ難民の少年との交流などを紹介。1940年、ナチスの銃殺隊が迫る中、外務省の指示との間で約10日悩み「頼ってくる人を見捨てるわけにはいかない」と発給を決断する経緯を写真や手記で伝える。

 辞書やカフスボタンなどの遺品、執務室の再現、ユダヤ人がソ連から日本を経て米国などに逃げた経路が分かるジオラマもある。

 杉原氏の関連資料は、出身地の岐阜県八百津町が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に申請している。大塚信館長は「ユダヤ人の暗闇に光を照らした日本人がいた。自分の立場で何ができるか考えた生き方に触れてほしい」と話す。無料。午前10時~午後5時。日、月曜と祝日は休館。

(2017年6月2日朝刊掲載)

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