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放射線の影響 研究成果発表 広島で大学教授ら

 放射線の人体への影響などについて大学教授たちが研究成果を発表する「原子爆弾後障害研究会」が4日、広島市中区の広島国際会議場であった。広島原爆障害対策協議会の主催で、医療関係者ら約130人が参加した。

 広島大原爆放射線医科学研究所(南区)の客員教授も務める国際医療福祉大学クリニック(栃木県)の鈴木元院長が特別講演。「低線量・低線量率被曝(ひばく)」の定義や科学的背景、世界の疫学調査の現状を紹介。放射線の人体への影響に関する疫学研究について「精度の高い調査をベースに議論するべきだ」とし、来場者に基礎研究の重要性を説いた。

 「ライフサイエンスとしての放射線生物学」をテーマに、広島大原爆放射線医科学研究所や放射線影響研究所(南区)などの研究者5人が順に登壇して発表し、参加者と意見交換。長崎市の高齢被爆者の健康状況▽原爆被爆者の胃がん検診―など32の研究についても報告された。

(2017年6月5日朝刊掲載)

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