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被爆アオギリ2世植樹 東京・国立市 広島市長も参加

 東京都国立市は5日、広島で被爆したアオギリの2世の苗1本を、市庁舎そばの広場に植樹した。記念式典には広島市の松井一実市長を招き、平和関連施策の拡充を誓い合った。

 国立市の永見理夫市長は式典で、平和行政に力を注ぎ、昨年11月に死去した佐藤一夫前市長の功績を紹介。亡くなる8日前、佐藤氏が平和首長会議(会長・松井市長)の国内加盟都市会議へ病を押して出席した姿を振り返り、「遺志を継いで平和発信を続ける」と誓った。

 松井市長も佐藤氏を追悼し、「平和の象徴としてアオギリを育て、『同じ思いを他の誰にもさせてはならない』という被爆者の思いを広めてほしい」と期待を寄せた。続いて永見市長と共に、高さ約40センチの苗にスコップで土をかけて成長を祈った。

 国立市は、被爆者の記憶を語り継ぐ「原爆体験伝承者」の養成などの独自施策を進めている。この日の式典には、市内に住む被爆者や伝承者たち約60人が出席し、バイオリン演奏や若者のスピーチもあった。(田中美千子)

(2017年6月6日朝刊掲載)

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