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化学兵器 イランで「ノー」 被害者支援続ける広島のNPO パレード参加

 海外医療支援のNPO法人モースト(広島市東区)が29、30日、毒ガス被害者の支援に携わるイランで、化学兵器廃絶を訴えるパレードに参加する。無差別攻撃による後遺症に苦しむ市民がいる状況から、「第二のヒロシマ」とも呼ばれるイラン北西部のサルダシュト市を訪れ、廃絶をアピールする。

 サルダシュト市ではイラン・イラク戦争中の1987年6月、毒ガス爆弾により市民100人以上が亡くなり、今も後遺症に苦しむ人が多いという。爆弾投下から30年を迎えたことし、首都テヘラン市の非政府組織(NGO)化学兵器被害者支援協会が、初のパレードを企画した。

 モーストは2007年、毒ガス被害の実相を発信する現地の平和博物館の創設に協力し、被害者を広島市へ招く交流事業も続けている。協会から打診され、津谷静子理事長(62)たち計6人の派遣を決めた。

 パレードは29日にテヘラン市を出発。化学兵器廃絶を訴える幕などを掲げた約100台の車両に分乗し、約700キロを駆ける。30日にサルダシュト市へ入り、7月1日に集会を開く。

 かつて広島市へ招待した被害者との再会も計画する。津谷理事長は「シリアで化学兵器による攻撃があったばかり。多くの被害者の思いを背に広島から声を上げたい」と意気込む。(奥田美奈子)

(2017年6月7日朝刊掲載)

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