×

ニュース

新代表委員に田中氏 事務局長は木戸氏就任

 日本被団協は7日、東京都内での定期総会で、退任の意向を示した岩佐幹三代表委員(88)=千葉県船橋市=の後任に、田中熙巳(てるみ)事務局長(85)=埼玉県新座市=を選んだ。新たな事務局長には、木戸季市事務局次長(77)=岐阜市=が就任した。岩佐氏は顧問となる。

 3人からなる代表委員は被団協のトップで、広島、長崎の両被爆地と関東エリアから選んでいる。広島の坪井直氏(92)、長崎の谷口稜曄(すみてる)氏(88)の2人は留任する。

 田中氏は13歳の時、長崎市で被爆し、親族5人を亡くした。1970年代から被爆者運動を引っ張り、2000年、被団協の事務局長に就任。埼玉県の被爆者団体の会長も務める。この日の記者会見では「核兵器廃絶は願うだけでなく、行動に移さないといけない。いろいろな場面で訴えていきたい」と語った。

 後任の木戸氏は5歳の時に長崎市で被爆し、顔面にやけどを負った。91年、岐阜県の被爆者団体ができた当初から事務局長を務め、08年に被団協の事務局次長にも就いた。会見では、会員の高齢化を念頭に「核兵器廃絶は人類の課題として成し遂げなければいけない。組織の在り方についても議論を積み重ねていく」と述べた。(田中美千子)

(2017年6月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ