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合宿決定 通訳の功 メキシコ、広島県と協定 非常勤職員の玉木さん

 2020年東京五輪の事前合宿を広島ですることが決まったメキシコ側と県の調整を、誘致コーディネーターの玉木裕子さん(59)=府中町=がスペイン語の通訳として支えている。メキシコオリンピック委員会(MOC)と県の5月下旬の協定締結を受け、サポート態勢や交流事業の具体化など重要な仕事を引き続き担う。(胡子洋)

 玉木さんは県経営企画チームに非常勤職員として在籍。担当職員と打ち合わせし、MOCとメールのやりとりを繰り返す。受け入れを見込む26種目の合宿地選定に向け、調整が本格化する。

 国際協力機構(JICA)の通訳だった玉木さん。昨年11月、県の依頼でコーディネーターを引き受けた。2週間後、MOCとの交渉のため県職員たちとメキシコへ。広島の思いを伝え、費用負担などシビアな議論の間にも立った。今年1月のMOC幹部の広島視察や4月のメキシコでの最終調整にも同行した。

 東京出身の玉木さんは大学卒業後、メキシコ国立自治大に留学。計約3年間、現地で暮らした。「メキシコ人は信頼関係を大事にする」。交渉では伝え方に心を砕き、相手の表情の変化に注意を払った。「交渉の進展を肌で感じ、充実感がありました」

 玉木さんによると、メキシコでは合宿地が広島に決まったことを伝えるニュースが連日放映されたという。選手団は18年にも五輪予選などの強化合宿で広島を訪れる予定。今後の交流の広がりに思いをはせ、「懸け橋になる」と力を込める。

(2017年6月8日朝刊掲載)

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