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艦載機移転 「ごう音 生活に支障」 岩国 全盲男性、市に反対申し入れ

 岩国市の米海兵隊岩国基地へ7月以降、空母艦載機61機が移転する計画を巡り、全盲の鍼灸(しんきゅう)師森本健一さん(55)=同市由宇町=が9日、移転を容認しないよう求める福田良彦市長宛ての申し入れ書を市に提出した。

 森本さんは、基地から南へ約10キロの沿岸地域にある自宅で、弱視の妻直美さん(52)と治療院を営んでいる。米軍機のごう音が仕事をたびたび妨害し、屋外では信号機の音を奪う。日常の生活音にも過敏になり、頭痛に悩まされてきたという。

 この日、市役所で高田昭彦基地政策担当部長に申し入れ書を手渡した。「電話やメールで何度もSOSを出したのに無視された」と市のこれまでの対応を厳しく批判。「同じ苦痛を受けながら、声も出せない市民はたくさんいる。市民の生活を守ってほしい」と強調した。

 移転を巡る判断については「多数の力で少数意見を抑え付けるのではなく、一人一人の人権を尊重して徹底して話し合うことから始まると思う。今、可否を判断すべきではない」と主張した。(松本恭治)

(2017年6月10日朝刊掲載)

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