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絵に込める 平和の願い 三良坂の美術館 柿手さんら 25点展示

 絵画を通して平和について考える「明日への輝き 平和展」前期展が10日、三次市三良坂町の三良坂平和美術館で開幕した。一貫して反戦平和を唱えた地元出身の画家柿手春三さん(1909~93年)の作品を中心に、柿手さんと交友のあった12人の作品計25点を展示している。(佐々木裕介)

 柿手さんの作品は13点を展示。黒い背景の中に1羽のハトがたたずむ「はと」や、いすに座る人物を抽象画で描いた「独裁者」、キャンバス全体が赤い炎で覆われた「燃えたもの」など、平和をテーマにした作品が並ぶ。

 柿手さん以外の作品では、暗い大地で白いハトを手に乗せた女性を描いた大作「白い鳩(はと)」や、セーヌ川に架かる橋を描いた「朝のセーヌ」といった風景画もある。元泉園子館長(59)は「平和の表現の仕方は人によって違う。その違いを感じてほしい」と話す。

 近くの主婦田原芳子さん(68)は「絵を見ていると、戦争はいけないと思い起こさせてくれる」と話していた。

 平和展は、1986年に柿手さんが友人の四国五郎さん(1924~2014年)たちと町内の公民館で開いたロビー展が始まり。91年以降は同美術館で続く。

 前期展は7月9日までで、8月5日から9月10日まで後期展。一般400円、65歳以上300円、高校生200円。中学生以下無料。月曜休館。

(2017年6月11日朝刊掲載)

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