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8・6登校日 再検討 広島市教委 各校判断も視野

 広島市立小中学で教職員の勤務を巡る法令の影響により今年から原爆の日の登校日がなくなる見通しとなっている問題で、市教委は12日、従来通り各学校の判断で登校日を設けられないか再検討を始めた。平和学習の日として浸透してきた学校現場に戸惑いが広がっていたのに加え、松井一実市長も「調整の余地がある」との認識を示した。

 市教委によると、地方分権の一環で教職員の人事権限が本年度から市に丸ごと移ったのに伴い、8月6日を市職員の休日とする市の条例が市立小中学の教職員に適用される。さらに、教職員の給与などに関する特措法は「(校長は)休日には業務を命ずることができない」旨を規定。この二つの法令により、週休日(土日曜)と異なって「休日」に当たる8月6日に教職員が登校するのは、「難しい」と判断していた。

 市教委は、「これまでのように校長の判断で登校日を続けられないか、法律的な観点から再び検討を始めた」としている。

 松井市長は11日、この問題を取り上げた中国新聞の報道を受け、中区で報道陣の取材に応じた際に「平和学習をどう位置付けるかを整理したうえで、調整の余地はあると思う。校長の権限や既存の条例の解釈など、もう少し精緻な議論をするのがいい」と話した。(野田華奈子)

(2017年6月13日朝刊掲載)

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