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岩国の元通信兵・池田さん 旧満州の戦友 今どこに

 旧満州(中国東北部)で通信兵として第2次世界大戦、そして抑留を体験した岩国市岩国のギフトショップ店主池田正道さん(88)が、同じ部隊の仲間を捜し続けている。やっと再会した2人も他界。15日の終戦の日を迎え、「私が生きている間に、一人でも多く仲間が見つかれば」との思いを強めている。(堀晋也)

 池田さんは、電信第46連隊第4中隊に所属。同中隊は、前線と司令部の通信網の役割を担い、約50人で構成されていた。このうち、2人とは2003年に京都府で開かれた連隊の戦友会で再会。以後、終戦の日などに連絡を取り合っていたが他界した。この2人のほかは戦死者・抑留死没者名簿にも名前はなく、行方不明のままという。

 1945年8月、旧ソ連軍が旧満州への進攻を開始し、同連隊の拠点だった牡丹江周辺(現黒竜江省牡丹江市)まで迫った。池田さんの所属する中隊は撤退。敵兵と獣から隠れながらの行軍や遭遇戦で仲間はばらばらに。池田さんは1人になった1週間後、牡丹江近くで第八路軍(現在の中国人民解放軍)に捕まり、旧ソ連軍に引き渡された。現在のウズベキスタンのタシケント市で抑留され、48年9月に帰国した。

 池田さんは毎夏、手元の戦死者・抑留死没者名簿を何度も見返す。仲間を知る誰かの目に留まればと、自身の体験を記した冊子をつくるなどして、戦友の消息捜しに手を尽くす。「生死を共にした仲間は忘れられない。こんな思いをする戦争は二度と起こしてはいけない」と訴えている。池田さんTel0827(41)2318。

(2012年8月15日朝刊掲載)

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