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広島大生が文字起こし DVD被爆証言 重く受け止め 必修平和科目

 広島大の学生が12日、本年度の授業の一環で、原爆資料館(広島市中区)が所有するDVDに収められた被爆証言を文字に起こす作業を始めた。同館を運営する広島平和文化センター(中区)との包括的連携協定に基づく試み。被爆の記憶を受け継ぎ、幅広い活用につなげる。

 東広島市の東広島キャンパスで、1年生必修の平和科目「ヒロシマ学」を受講する約150人が取り組む。この日は、2人ずつペアを組み、1人がノート型パソコンでDVDを操作。もう1人が聞き取った証言やナレーションを資料館のひな型に沿って打ち込んだ。7月末にかけ、少なくともDVD75枚分の証言を文字化する。

 松江市出身で総合科学部1年の生松奈津佳さん(18)は、「被爆者の思いをしっかり受け止め、継承に少しでも役立ちたい」と意欲的だった。

 広島大はヒロシマ学を2011年度に必修化。DVDの文字起こしを16年度に始め、16年12月の同センターとの協定で取り組みの一つに位置付けた。今後は資料館と連携し文字による検索システムの構築や多言語への翻訳を目指す。資料館学芸課は「人手不足を補ってもらえる。幅広い研究、知識も活用させてもらいたい」と期待する。(野田華奈子)

(2017年6月13日朝刊掲載)

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