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安心安全対策 質問続く 岩国市議会 艦載機移転 市姿勢問う

 岩国市議会は14日、一般質問を続けた。同市の米海兵隊岩国基地へ7月以降、空母艦載機61機が移転する計画を巡り、市が国に要望した43項目の安心安全対策の達成状況や、移転に対する市の姿勢に関する質問が出た。

 登壇した7人のうち3人が艦載機関連を質問した。安心安全対策の「基地外居住者の居所の明確化」が未達成の点について、移転反対派は「市独自で把握しようとする努力が見えない」と批判。市側は「プライバシーの関係もある」とし、あくまで米側の了解の下に情報提供を受ける必要があると説明した。

 別の反対派も安心安全対策に言及し、「43項目は市民の最低限の要望。全てが実現しても、艦載機移転は市民にとって大きな負担となる」と主張。未達成項目が残る中での移転は認められないとの立場を鮮明にした。

 一方、容認派は「国の安全の上に地域の安心安全がある」と前置きした上で、移転に対する福田良彦市長の思いを尋ねた。福田市長は「自治体の責務は住民の安心安全の確保が第一」「国あっての地方という視点から、移転を判断すべきだという趣旨は十分理解している」などと答えた。(松本恭治)

43項目達成まで移転是非保留を 市民団体、市に要請

 米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転計画に反対する市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」は14日、安心安全対策の全43項目に対して国から十分な回答が示されるまで、移転の是非を判断しないよう求める申し入れ書を市に提出した。

 市は、43項目のうち「約8割が達成または進展中」と評価している。これに対し、申し入れ書では「達成または進展中としている項目には、市民の要望に応えていないものがある」と主張。「現在の政府回答で艦載機移転を容認すれば、市は市民の要望を無視し、基地災害の責任を自ら担うことになる」としている。

 桑原清、河井弘志両共同代表が市基地政策課に提出した。同課は「申し入れの内容は市長に伝える」とした。

(2017年6月15日朝刊掲載)

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