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シリア通じ平和考える 当たり前の笑顔 今はない… 浜田 写真展 中国地方に初誘致

 紛争が深刻化する前のシリアの写真を通して、平和の大切さを考えてもらう「みんなで作るシリア展inしまね」が14日、浜田市野原町の市世界こども美術館で始まった。18日まで。

 首都圏中心に重ねている展示「みんなで作るシリア展」を地元でも見てもらおうと、病院職員㯃(うるし)松(まつ)友香さん(34)=同市殿町=たちが企画した。中国地方では初めて。主宰する千葉県に住む看護師田村佳子さん(37)のグループから借りた写真102枚を展示した。

 写真は、いずれも紛争前の1990~2000年代にシリア国内で撮影。理髪店で散髪してもらう子どもや、野菜が並ぶ市場の風景など、平和だった日常を紹介している。撮影者のメッセージも掲示。花束を持つ3人の子どもたちの写真には、「目が合えば『お茶でも飲んでいきなよ』と温かく迎えてくれた」と添えている。

 㯃松さんは県立大(浜田市)の学生だった04年、国の国際交流事業でヨルダンを訪れ、中東に関心を持つようになった。その後、テロのニュースに接するたびに心が痛んだ。

 新聞で写真展を開いているグループのことを知り、2月に友人たち5人と実行委員会を結成し、準備を進めてきた。「当たり前のように写っている笑顔が今のシリアにはない。平和の尊さを感じてほしい」と話している。

 午前9時半~午後5時(18日は午後3時まで)。入場無料。(梨本晶夫)

(2017年6月15日朝刊掲載)

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