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「深い人道的信念」訴え 松井・広島市長が演説

 広島市の松井一実市長は15日、「核兵器禁止条約」の制定に向けた国連本部での第2回交渉会議で演説した。被爆者が「深い人道的信念」から核兵器廃絶を訴えてきたと伝え、会期末の7月7日までに条約成案を採択するよう求めた。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 平和首長会議の会長を務める松井市長は非政府組織(NGO)枠で約7分、発言した。被爆者が「こんな思いをほかの誰にもさせてはならない」と世界にメッセージを発し続けてきたとし、「存命のうちに核兵器の禁止を見届けたいと願っている」と強調。先月公表された条約草案がその苦しみや願いを受け止めていると歓迎した。

 さらに条約草案に核保有国の加盟につながる工夫があると指摘。「核兵器に関する既存の法的規制を強化、徹底する禁止条約となるよう建設的でオープンな議論を」と求めた。不参加の保有国の指導者へも軍縮での指導力発揮を迫った。

 演説終了後には会場から拍手が送られた。松井市長は記者団に「各国の発言も聞きながら、7月7日には条約案が確定するのではないかとの思いを新たにした」と手応えを語った。

(2017年6月17日朝刊掲載)

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