×

ニュース

艦載機移転 どう判断 岩国市長 23日にも 米海兵隊岩国基地 愛宕山開発事業跡地

 岩国市はこの10年余り、在日米軍再編に翻弄(ほんろう)されてきた。騒音や事故の危険に直面する岩国市民の悲願だった米海兵隊岩国基地(同市)の滑走路沖合移設が呼び水となる形で、日米両政府は2005年、米海軍厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機移転計画を公表。市民は住民投票で反対の意思を示した。

 だが、国は強行姿勢を崩さず、建設中の市庁舎への国の補助金を見送り、米軍再編に協力する自治体への交付金対象からも除外。反対を貫く当時の井原勝介市長に翻意を促した。市長と市議会の亀裂も深まり、再び民意を問うた08年の出直し市長選で、市民は「現実的対応」を掲げる福田良彦市長を選んだ。

 新市長の誕生直後、国は補助金凍結を解除。市町の再編交付金に加え、全国で唯一、県への交付金も支給する。同市の愛宕山地区で米軍住宅建設などの受け皿整備も進んだ。

 市民の安心安全対策と地域振興を判断材料とする福田市長は23日にも、「極東最大級の米軍基地」となる移転の是非を判断する。再編を巡る基地の町イワクニの軌跡を振り返る。(和多正憲)

(2017年6月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ