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[核なき世界への鍵] あの日の広島 NYで語る 被爆者と平和活動家 交流

 「核兵器禁止条約」の第2回制定交渉会議に合わせて米ニューヨークを訪れている広島の被爆者と若者が18日、平和集会で原爆被害の実態や核兵器廃絶の願いを伝え、各国の平和活動家たちと交流した。(ニューヨーク発 水川恭輔)

 「ぼろぼろの布きれをまとったような姿で…」。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(75)は、72年前に今の広島市安佐北区にあった自宅近くに逃げてきた重傷者の痛ましい姿を、高校生が描いた絵を掲げて説明。父親を捜しに共に市中心部に入った母親が後年、がんを患って亡くなったと語った。

 「核兵器廃絶を先送りしてはいけない」と禁止条約の実現を訴え、大きな拍手を浴びた。参加者に1人ずつ原爆ドーム(中区)のバッジを手渡し、「説得力のある話だった」などと声を掛けられていた。

 集会は、現地の平和団体が催し、約100人が参加。核兵器の禁止と廃絶を求める街頭署名を続ける被爆3世で、県原水協の弘中孝江事務局次長(31)も登壇し、「被爆者が生きているうちに核兵器をなくそう」とアピール。米国の核関連施設近くの先住民や、旧ソ連の核実験場があったカザフスタンの若者たちが禁止の訴えを重ねた。

(2017年6月20日朝刊掲載)

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