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大田元知事 生前メッセージ  広経大生ら昨年11月撮影 学生が紡ぐ 平和の願い

 今月12日に92歳で亡くなった元沖縄県知事の大田昌秀さんの生前の映像を、広島経済大(広島市安佐南区)メディアビジネス学科の学生たちがビデオ収録していた。1945年の沖縄戦を振り返る番組作りに生かす。

 学生3人が昨年11月に沖縄県を訪れ、大田さんが知事時代に建立した「平和の礎(いしじ)」(糸満市)の前で約1時間、話を聞いた。

 大田さんは自ら体験した沖縄戦を巡り、「個人個人が自分の家族が殺されたらどう思うか考えてほしい」と語るとともに、「沖縄は差別されてきた。日本にとって沖縄は何なのか考えてほしい」との重い言葉を残した。

 企画を練った三上奈津希さん(21)は訃報を聞く前日、ちょうど大田さんのシーンを編集していたという。「ショックだった。戦争体験者が減る中、私たちが映像として伝えることが恩返し」。もう1人加えた4人で今月末の完成を目指し、NHKや民放連などの実行委員会が主催する「地方の時代」映像祭に出品する。(山本祐司)

(2017年6月20日朝刊掲載)

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