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「平和の丘」計画 一部変更を陳情 市議会に市民団体

 広島市南区の比治山公園を「平和の丘」として再整備する市の計画について、市民団体「比治山公園の歴史と文化を考える会」が20日、一部変更を市議会に陳情した。放射線影響研究所(放影研)の移転が実現した場合の跡地を「祈りの場」にするよう求めている。

 陳情書は、今の放影研の敷地内に戦前は陸軍墓地があった歴史に触れた上で、移転後の跡地をステージなどを備えた広場にする市の計画に関し「(平和の丘の)理念と合致するとは思えない」と指摘。1961年に放影研の南側に再建された陸軍墓地と跡地一体で「『平和と歴史』を実感できる場所に」と要望している。

 会は市の平和の丘構想を受けて昨年12月に結成し、メンバーは戦没者の遺族や市民たち約50人。この日は代表の井上千代さん(73)たち5人が市議会棟を訪れ、永田雅紀議長に陳情書を手渡した。井上さんは「跡地をにぎわいの場ではなく、静かに祈りをささげられる場にしてほしい」と話していた。

(2017年6月21日朝刊掲載)

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