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平和公園 パネル変色 中島本町紹介

 平和記念公園(広島市中区)内の案内パネルが茶色に日焼けし、傷んだまま放置されている。現場の周辺にあり、原爆で壊滅した中島本町の往時を伝える内容で、写真部分は特に見えにくい。17日に傷み具合を調べた市の担当者は「点検が不十分だった」として、修繕の方針を決めた。(神下慶吾、山本祐司)

 パネルはステンレス製で縦60センチ、横90センチ。中島本町の地名の由来や世帯地図が記されている。表面の塗料はひび割れが目立つ。住民や当時の喫茶店のモノクロ写真は見えないほど黒ずんでいる。

 同様のパネルは、原爆で壊滅した天神町、材木町、元柳町の計3カ所にも立つ。国際ソロプチミスト平和広島が2008年、中島本町も含め計4枚を約100万円掛けて作り、市に寄贈した。

 この日は、市平和推進課の職員2人が現場を調べた。中島本町のパネルだけが南向きに置かれているため、日差しで変色したと判断した。

 同課の職員は年2、3回、清掃作業をしている。同課の被爆体験継承担当の石田芳文課長は「1月は一部が茶色になっていたが、ここまでひどくなっているとは思わなかった」と説明する。

 国際ソロプチミスト平和広島の事務局担当新宅景子さん(55)は「世界中から多くの人が集まる8月より以前に分かっていれば良かった」と残念がる。

 石田課長は「中島本町のパネルは修繕のため専門家に相談する。今後は夏場を中心に点検の回数を増やす」と話している。

(2012年8月18日朝刊掲載)

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