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岡山 被爆者2団体解散 会員高齢化 県内12団体に

 岡山県内の二つの被爆者団体が今春、会員の高齢化を理由に解散した。県内の被爆者団体は2009年度には17団体あったが、今回の解散で12団体となった。

 岡山市東区と瀬戸内市の被爆者でつくる西大寺地方原爆被爆者の会(約70人)は、5月24日に東区で開いた慰霊祭を最後に解散した。原爆写真展などを開いてきたが、会員の死去や入院などで活動継続は困難と判断した。役員を長年務めた伊東末男さん(89)=瀬戸内市=は「残念だが、会員の健康状態を考えると仕方がない」という。

 美作市や勝央町などの被爆者でつくる勝英原爆被爆者会は4月の総会で解散を決めた。約30年前に80人ほどいた会員は13人に減少。約5年前から会長を務めていた鳥家(とや)守さん(88)=勝央町=は「会員の身体の自由が利かなくなり、やむなく解散を決めた。核兵器廃絶の思いは変わらない」と話す。

 岡山県保健福祉課によると、同県内の被爆者健康手帳の所持者(17年3月末現在)は1513人で、平均年齢は82・9歳。厚生労働省によると、16年3月末現在の同県内の被爆者健康手帳所持者は1635人で47都道府県で12番目に多かった。(加茂孝之)

(2017年6月22日朝刊掲載)

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