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岩国市長あす容認表明 艦載機移転 周辺2町・山口県、同調へ

 米海兵隊岩国基地(岩国市)へ7月以降、空母艦載機61機が移転する計画について、岩国市の福田良彦市長は市議会定例会最終日の23日の本会議で、移転容認を表明する。基地周辺の山口県和木、周防大島の両町長も市長判断に同調するとみられ、3市町の意向を受けて同県の村岡嗣政知事は30日に受け入れを表明する見通し。

 移転に関し福田市長はこれまでに、受け入れの是非を判断する前提条件を全てクリアしたと説明。その上で判断材料に掲げる、国に要望した安心安全対策や地域振興策、交付金拡充などに「一定の成果はあった」と評価している。住民説明会や市議会一般質問などで寄せられた移転に理解を示す意見も踏まえ、容認判断を導き出すとみられる。

 これを受け、和木町の米本正明町長と周防大島町の椎木巧町長も、両町議会最終日の27日に容認の判断をする見通し。村岡知事は「地元の意向を尊重する」としており、30日の県議会一般質問に答える形で移転を認めるもようだ。米計画で早ければ7月開始とされる移転を前に、3市町と県の容認判断が出そろう。

 在日米軍再編に伴う空母艦載機の移転計画は2006年5月に日米両政府が合意。来年5月にかけて、61機が米海軍厚木基地(神奈川県)から移るとされる。完了後の岩国基地の米軍機は約120機に倍増し、軍人や軍属、家族の総数は1万人を超える見込み。(松本恭治、和多正憲)

(2017年6月22日朝刊掲載)

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