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千羽鶴の伝言 193ヵ国首脳に 核廃絶と訪問訴え

 広島市内の高校生たちが、中区の平和記念公園にある原爆の子の像に寄せられた折り鶴の束を、世界193カ国の首脳や国連の潘基文(バンキムン)事務総長に届ける「プロジェクト千羽鶴」を始めた。核兵器廃絶へのメッセージの発信と、広島訪問を働き掛けるのが狙い。(二井理江)

 非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN・本部オーストラリア)広島青少年委員会の姜(キョウ)ヘンリー会長(19)=佐伯区=が賛同者を募集。インターネットの会員制交流サイト「フェイスブック」で準備作業への協力を呼び掛け、高校生を中心に若者23人が、中区の原爆資料館の会議室に集まった。松山市の小学校や岡山市の中学校などから届いた千羽鶴と、各国首脳宛ての手紙を段ボール箱に入れた。

 手紙は、67年前に広島に落とされた原爆で今も苦しんでいる被爆者がいる実態とともに、世界に約2万発もある核兵器への懸念を表明。政府代表として核兵器に対してのメッセージを送ってもらうよう依頼している。さらに、広島を訪れて原爆による放射線の影響を実際に見てほしいと訴えている。

 千羽鶴などを入れた箱は、ICANを通じて各国の首脳に届ける予定。首脳からメッセージが届けば、ICANのホームページで紹介する。

 箱詰め作業に参加した広島学院高(西区)2年椿原弘将(つばきはら・こうき)さん(16)は「僕たち高校生が反核に向けた強い思いを持っていることを、政策決定権を持つ世界各国のトップに知ってほしい」と話していた。

(2012年8月20日朝刊掲載)

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