×

ニュース

普天間の移設見通し 山口知事、国に確認

 米海兵隊岩国基地(岩国市)へ7月以降、空母艦載機61機が移転する計画を巡り、山口県の村岡嗣政知事は26日の県議会本会議で、受け入れ判断の前提条件とする米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設見通しについて、国へ文書で確認する考えを示した。

 県は「普天間移設見通しが立たないうちに艦載機移転のみを切り離して進めることは認められない」「これ以上の負担増は認められない」の二つを受け入れ判断の基本スタンスとする。これらの国の対応方針と今後の取り組みについて、岸田文雄外相と稲田朋美防衛相宛てに同日付で文書による確認を求めたという。

 村岡知事はこの日の代表質問で、普天間の移設見通しについて「艦載機移転の判断と合わせて整理する必要がある」と重ねて説明。「個別の再編案は全体としてパッケージとの説明を受けている。あらためて見解を求めたい」と述べた。

 普天間移設を巡っては、沖縄県名護市辺野古への移設工事を進める国に対し、同県は7月に工事差し止め訴訟を起こす方針。一方、宮沢博行防衛政務官は5月17日、岩国市の福田良彦市長と面会時に「関係法令に基づき(辺野古移設)工事を進めたい。艦載機の岩国移転のみを進める考えはない」と説明した。福田市長は同日、「見通しは立った」との見解を示し、今月23日に移転容認を表明している。(和多正憲)

(2017年6月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ