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岩国へ艦載機 知事容認 議会で表明「沖縄問題クリア」

 米海兵隊岩国基地(岩国市)へ今月以降、米海軍厚木基地(神奈川県)から空母艦載機61機が移転する計画について、山口県の村岡嗣政知事は30日の県議会一般質問で、「市町で熟慮を重ねられた上での最終判断を重く受け止め、県として艦載機移転を容認したい」と表明した。

 すでに受け入れ意思を示した岩国市と同県周防大島、和木両町の意向を踏まえて判断。11日にも同市の福田良彦市長たちと上京し、政府へ容認した結果を伝える。併せて、移転後の騒音対策や事故・事件への安心安全対策、米軍再編交付金拡充の確実な実施などを引き続き要望する。

 また、受け入れ判断の前提とする米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設見通しについては、国の「(同県名護市辺野古沿岸部への)代替施設建設を着実に進める」とする文書回答を受け「クリアされた」との見解を示した。

 村岡知事は「3代の知事が引き継いで対応した極めて難しい課題だった。責任の重さを強く感じている」とした。「移転後も地元市町と連携し、県民の安全と平穏な生活の確保に向け全力で取り組む」と述べた。

 艦載機移転を巡っては、福田市長が6月23日の市議会本会議で、国に要望した安心安全対策や地域振興策の達成状況、米軍再編交付金拡充などを踏まえ「熟慮した結果、受け入れる」と表明。周防大島、和木両町長も同月27日に容認判断をそれぞれ示していた。(和多正憲)

米空母艦載機移転計画
 在日米軍再編で艦載機61機が米海軍厚木基地から米海兵隊岩国基地へ移転する計画。厚木基地周辺の騒音軽減などを目的に、日米両政府が2006年5月に合意した。当初計画では機数は59機とされたが、日本政府は61機に増えるとみる。艦載機とともに米軍人約1700人、軍属約600人、家族約1500人の計約3800人も移り、岩国基地の米軍関係者の総数は1万人を超える見込み。

(2017年7月1日朝刊掲載)

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