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平和公園やドーム視察 チェコ首相

 チェコのソボトカ首相が30日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。チェコ人建築家ヤン・レツル(1880~1925年)が前身の広島県物産陳列館として設計した原爆ドームを視察し、「核兵器のない世界を実現するために全力を尽くし、努力しなければならない」と語った。

 同国の現職首相の広島訪問は初。ソボトカ首相は原爆慰霊碑に献花した後、徒歩で原爆ドームへ。「チェコの建築家の足跡として、第2次世界大戦の残酷さを表すものとして、残されたのは大変うれしい」と感慨深い表情を見せた。

 これに先立ち、原爆資料館を見学。松井一実市長との面会では「いちばん残酷なのは罪のない市民が犠牲になったことだ」と感想を伝えた。その上で「北朝鮮のような国が核兵器の開発を続ける中、平和の構築に向けた広島のイニシアチブは大事だ」と呼び掛けた。

 チェコでは2009年4月、米国のオバマ大統領(当時)が「プラハ演説」で核兵器のない世界を目指す構想を打ち出した。松井市長は、オバマ氏が昨年5月に広島でも演説した縁を挙げ「核兵器のない世界をつくるという宿題に対し、どれほど前進が図れるかという共通課題がある」と連帯を期待。チェコの各都市に平和首長会議への加盟を勧めるよう求めた。(野田華奈子)

(2017年7月1日朝刊掲載)

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