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核なき世界 実現願う 岡山県原爆被爆者会 慰霊祭に50人

 岡山県原爆被爆者会の原爆死没者慰霊祭が30日、岡山市北区の宿泊施設であった。被爆者や遺族たち約50人が参列し、犠牲者の冥福と核兵器のない世界の実現を願った。(加茂孝之)

 全員で黙とうした後、土屋圭示会長(89)が「川で無数に浮かぶ死体や水を求めて叫ぶ人たちの断末魔が忘れられない。後世の人が生き地獄を体験しなくて済むよう、核兵器廃絶の実現を切望してやまない」とあいさつ。参列者は祭壇に花を手向け、「原爆を許すまじ」を合唱した。

 同会は慰霊祭後に代議員総会を開き、米ニューヨークの国連本部で「核兵器禁止条約」制定に向けた交渉会議が開かれる中、核兵器を禁止し廃絶する条約を全ての国に結ぶよう求める「ヒバクシャ国際署名」を集めることを決めた。同会新見支部長の生原義人さん(77)は「日本は唯一の被爆国として制定交渉に参加してほしい」と願っていた。

 県内では2016年度、被爆者健康手帳を持つ125人が亡くなり、17年3月末現在の手帳所持者は1513人で平均年齢は82・9歳。県内の二つの被爆者団体が今春、会員の高齢化を理由に解散した。

(2017年7月1日朝刊掲載)

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