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被爆電車で「あの日」学ぶ 昨年主催団体が解散 有志継承

 72年前に被爆した路面電車に乗って原爆被害の実態や平和の尊さを学ぶ催しが2日、広島市内であった。昨年解散した同市の女性団体が2008年から続けてきた活動を、メンバーだった有志たちが引き継いだ。

 参加者たち約50人が江波(現中区)付近で被爆した653号に乗り、西区の横川駅を出発。グループのメンバーたちから沿線の被爆前後の街並みについて説明を受け、車窓から当時に思いをはせた。

 江波車庫(中区)で外観を見学し、原爆ドーム前(同)で下車。近くの県民文化センターでは被爆者で詩人の原民喜を題材にした講演も聞いた。長女(9)たち家族4人で参加した安佐南区の主婦佐々木裕美さん(44)は「当時の人と自分たちの日常を重ね合わせた」と話していた。

 路面電車の全路線を巡り終えたことなどから、昨年の催し後に女性団体が解散。しかし、平和を願って活動してきた志を絶やすまいと、当時のメンバーたち7人がことし1月、市民団体「2000+17・平和」を結成。新たに企画した。

 好永良子代表は「当時を今に伝える被爆電車に乗り、平和に向けて自分に何ができるか考えてほしい」と願っていた。(新谷枝里子、伊藤友一)

(2017年7月3日朝刊掲載)

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