×

ニュース

反戦訴えた創作の歩み 峠三吉と四国五郎 広島市中区で企画展

 原爆詩人の峠三吉(1917~53年)と、峠の「原爆詩集」の表紙絵などを手掛けた画家四国五郎(1924~2014年)の交流に焦点を当てた企画展「駆けぬけた広島の青春」が3日、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザで始まった。16日まで。無料。

 約100点の資料を展示。詩と絵を組み合わせて街頭に張ったポスター状の「辻詩(つじし)」は、朝鮮戦争の始まる1950年前後に2人が共同制作し、反戦を訴えた。療養中の峠を見舞う四国の絵はがきなども並ぶ。被爆死した少女を詠んだトルコの詩人に触発されて四国が描いたパネル画もあり、鮮烈なメッセージを放つ。

 広島文学資料保全の会と四國五郎追悼の会が主催。四国の長男、光さん(61)=大阪府吹田市=も会場を訪れ、「声を上げようと市民に呼び掛けた2人の創作の歩みに、今学ぶべきことは多い」と話した。

 8日午後2時から同プラザで、「ヒロシマを伝える 詩画人・四國五郎と原爆の表現者たち」の著者で武蔵大教授の永田浩三さんの講演もある。(鈴木大介)

(2017年7月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ