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呉空襲体験学び「歴史受け継ぐ」 和庄中3年・本通小6年

 呉市の小中学生が3日、72年前の呉空襲の体験を聞き、平和について考えた。

 和庄中の3年生89人は、近くの和庄公園で慰霊集会を開いた。呉市史によると、地元の防空壕(ごう)では当時、約550人が亡くなったという。供養塔の前で呉市本町の宮本澄枝さん(90)は「空襲後、死体を踏んで防空壕を出た。今でも苦しむ人の声は忘れられない」と証言した。

 生徒は千羽鶴をささげて黙とう。近くの防空壕跡も見学した。同中の生徒は2016年から、宮本さんが営んでいた慰霊祭を引き継いでいる。河野望来(みらい)さん(14)は「地元の悲惨な歴史を受け継ぎ、平和の大切さを訴えていく」と話していた。

 本通小では6年生30人が、卒業生で市民グループ「呉戦災を記録する会」の朝倉邦夫代表(80)から呉空襲についての解説を受けた。

 朝倉代表は焼夷(しょうい)弾の残骸などを見せながら被害を伝え、「戦争は誰一人幸せにしない」と訴えた。谷田豊拓君(11)は「たくさんの爆弾が落ちたのがよく分かって恐ろしかった。自分たちでも調べる」と話していた。(今井裕希、見田崇志)

(2017年7月4日朝刊掲載)

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