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原爆の絵「悲惨さ感じて」 基町高の18人完成披露会

 基町高(広島市中区)創造表現コースの2、3年18人が、被爆者8人から聞き取った体験談を基に描いた「原爆の絵」18点を完成させた。4日、同高で完成披露会があった。

 18人は77~91歳の被爆者から話を聞き、資料を調べるなどして構想を練った。約1年をかけ、電車の中でつり革を持ったまま亡くなった人や、遺体収容所になった学校のグラウンドなど、被爆者1人につき1~8点を仕上げた。

 3年黒川奈夏さん(17)は、中区の大田金次さん(77)が被爆当日に天満川で見たという、多くの遺体が流れる様子を描いた。「焼け焦げた人をどう表現するか悩んだ。多くの人がこれを見て悲惨さを感じてほしい」と黒川さん。大田さんは「感謝している。修学旅行生への証言で活用したい」と話した。

 この取り組みは被爆体験の継承を目指し、原爆資料館(中区)が2007年度から同高に依頼し10回目。これまでに延べ54人の証言を基に116作品が描かれた。8月12、13日には、全作品を中区のアステールプラザで展示する。(長久豪佑)

(2017年7月5日朝刊掲載)

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