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被爆死815人 遺族いずこ 広島市、全国に名簿を発送

 原爆の日を前に、広島市は6日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に納められた原爆死没者約7万人の遺骨のうち、名前が分かりながら引き取り手が見つかっていない815人分の名簿を全国の自治体など1976カ所に郵送した。14日から10月末まで掲示してもらう。

 名簿はB1判とB2判があり、五十音順で名前が並び、手掛かりとなる死亡時の年齢や住所を記す。この日は、市役所で市職員2人が発送作業。全都道府県や全市区町村、被爆者団体などのうち希望した243カ所にはB2判を、そのほかにはB1判を1枚ずつ封筒に詰めた。JR広島駅(南区)など市内の192施設へも届ける。

 市は1968年に名簿を公開し、85年に全国発送を始めた。これまでに845人分の遺骨を遺族たちに引き渡したが、2010年4月の1人を最後に途絶えている。市原爆被害対策部調査課の間所英二課長は「被爆72年になるが、遺族の元にまだ戻っていない遺骨があると知ってほしい」と協力を呼び掛けている。(伊藤友一)

(2017年7月7日朝刊掲載)

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